カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「本日は、お日柄もよく/原田マハ」の感想と紹介

48.本日は、お日柄もよく/原田マハ 緊張感のまったくないスピーチは、炭酸の抜けたソーダみたいだ。(p.258) 本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 作者:原田マハ 発売日: 2013/06/07 メディア: 文庫 製菓会社のOLとして普通に生活していた主人公こと葉が、結婚…

「西の魔女が死んだ/梨木香歩」の感想と紹介

47.西の魔女が死んだ/梨木香歩 「シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」(p.162) 西の魔女が死んだ (新潮文庫) 作者:香歩, 梨木 発売日: 2001/08/01 メディア: 文庫 学校に行けなくなってしまった主人公…

「逆ソクラテス/伊坂幸太郎」の感想と紹介

46.逆ソクラテス/伊坂幸太郎 「敵は、先入観だよ」(p.24) 逆ソクラテス (集英社文芸単行本) 作者:伊坂幸太郎 発売日: 2020/04/24 メディア: Kindle版 子どもたちが先入観をひっくり返し、逆転を目論む、伊坂幸太郎の短編集。 5編からなる物語は、どれも小…

「夏への扉/ロバート・A・ハインライン」の感想と紹介

45.夏への扉/ロバート・A・ハインライン 彼は、その人間用のドアの、少なくともどれかひとつが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。(p.8-9) 夏への扉 作者:ロバート A ハインライン,福島 正実 発売日: 2013/05/24 メディア: Kindle版 「S…

「博士の愛した数式/小川洋子」の感想と紹介

44.博士の愛した数式/小川洋子 「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ」(p.45) 博士の愛した数式 (新潮文庫) 作者:小川洋子 発売日: 2012/07/01 メディア: Kindle版 80分しか記憶を保つことができ…

「13階段/高野和明」の感想と紹介

43.13階段/高野和明 「死刑の存廃議論にはな、人を感情的にさせる何かがあるんだ。おそらくそれが、本能と理性の戦いだからだろう」(p.197) 13階段 (講談社文庫) 作者:高野 和明 発売日: 2004/08/10 メディア: 文庫 事件の記憶を失った死刑囚を救うため、…

「夏美のホタル/森沢明夫」の感想と紹介

42.夏美のホタル/森沢明夫 「人間ってのは、何かと何かを比べたときに、いつも錯覚を起こすんだって。」(p.153) 夏美のホタル (角川文庫) 作者:森沢 明夫 発売日: 2014/08/23 メディア: Kindle版 写真家志望の慎吾と彼女の夏美が古びた万屋「たけ屋」で過…

「好きな歌詞」について(スピッツ編)

こんにちは。 いつも本の紹介しかしていなかったので、どういう風に始めたらよいものかと戸惑っております… 今日は「本」ではなく「音楽」についての話をしたいなと思いました。 音楽好きなんです。特に、歌詞を見ながら聴く音楽。 アーティストを好きになる…

「舟を編む/三浦しをん」の感想と紹介

41.舟を編む/三浦しをん 「辞書は、言葉の海を渡る船だ」(p.34) 舟を編む (光文社文庫) 作者:三浦 しをん 発売日: 2015/03/13 メディア: Kindle版 言葉に対して真摯に向き合う主人公が新しい辞書「大渡海」を完成させるため、編集部の仲間と果てしない辞書…

「TITAN タイタン/野崎まど」の感想と紹介

40.TITAN タイタン/野崎まど 「・・・仕事ってそんな簡単なものではないと思うけど」 「簡単さ。余計なものさえ入り込まなければな」 「余計なものってなに」 (中略) 「“人間”だよ」(p.88) タイタン 作者:野崎まど 発売日: 2020/04/21 メディア: Kindle版 "…

「名前探しの放課後/辻村深月」の感想と紹介

39.名前探しの放課後/辻村深月 「それまでの持ち物を捨てて、周りの人の期待を裏切ってしまうこと。身を切られるようにつらかったでしょう。よく、決断しましたね」(下 p.190) 名前探しの放課後(上) (講談社文庫) 作者:辻村深月 発売日: 2012/12/03 メデ…

「巴里マカロンの謎/米澤穂信」の感想と紹介

38.巴里マカロンの謎/米澤穂信 ぼくたちはお互いに見張り合い、助け合って、心穏やかで無害で易きに流れる、誰にも迷惑をかけない小市民になろうと誓い合ったのだ。(p.32) 巴里マカロンの謎 (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2020/01/30 メディア: …

「線は、僕を描く/砥上裕將」の感想と紹介

37.線は、僕を描く/砥上裕將 水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その中に分かちがたく結びついてる自分を感じていくことだ。(p.67) 線は、僕を描く 作者:砥上裕將 発売日: 2019/06/26 メディア: Kindle版 両親を事故で亡くした青年が…

「アリス殺し/小林泰三」の感想と紹介

36.アリス殺し/小林泰三 客観的な現象は存在すると仮定してみて、矛盾が生じたときに初めて自分の正気を疑えばいいんだから(p.62) アリス殺し 〈メルヘン殺し〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:小林 泰三 発売日: 2019/04/24 メディア: Kindle版 「不思議な…

「七つの海を照らす星/七河迦南」の感想と紹介

35.七つの海を照らす星/七河迦南 人は皆、首尾一貫とした自分の物語を必要としている。(p.337) 七つの海を照らす星 〈七海学園〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:七河 迦南 発売日: 2017/11/30 メディア: Kindle版 小さな子どもたちが過ごす児童養護施設、七海…

「ミミズクと夜の王/紅玉いづき」の感想と紹介

34.ミミズクと夜の王/紅玉いづき 「あー、あたし、しあわせで死んじゃいそうよ」 死にたがり屋の小さな少女はそうして笑う。(p.33) ミミズクと夜の王 (電撃文庫) 作者:紅玉 いづき 発売日: 2014/09/06 メディア: Kindle版 奴隷だった少女ミミズクが迷い込…

「虚構推理/城平京」の感想と紹介

33.虚構推理/城平京 人の想像力が怪物を生み出すんです(p.109) 虚構推理 (講談社文庫) 作者:城平 京 発売日: 2015/12/15 メディア: 文庫 とある事から不死身の存在になってしまった青年と、自らも怪異的な存在である少女が協力して怪異の事件に挑むミステ…

「サブマリン/伊坂幸太郎」の感想と紹介

32.サブマリン/伊坂幸太郎 「全力投球を馬鹿にしてくる奴がいたら、そいつが逃げてるだけだ」(p.152) サブマリン (講談社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 発売日: 2019/04/16 メディア: 文庫 いつも貧乏くじを引きがちな武藤と、自由奔放で傍迷惑な上司陣内の2人の…