カタコトニツイテ

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「宝島/真藤順丈」の感想と紹介

27.宝島/真藤順丈

 

「おれたちの英雄さぁね」(p.59)

 

【第160回 直木賞受賞作】宝島

【第160回 直木賞受賞作】宝島

  • 作者:真藤 順丈
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 単行本
 

 

終戦後の沖縄を舞台に少年少女の青春と成長を描く、第160回直木賞を獲得した真藤順丈の長編小説。


米兵基地から物資を盗み出す少年たちの中で、英雄と呼ばれたリーダーが基地から逃げる最中突如消えた。


予定外の戦果を持ち出して。


3章に別れた終戦後の沖縄から日本返還までの時間軸の中で、少年少女たちの成長と消えた英雄と戦果に纏わる謎が丁寧に描かれている。


そして、作中では異国の言語かと思う程の沖縄の言葉がふんだんに使われている。若干読みにくいが慣れるしかない。それも勉強。


また、この本では米兵犯罪や基地問題などの今もなお沖縄に残る社会問題にも触れており、終戦後に辿ってきた沖縄の歴史を垣間見ることができる。


ミステリーの側面も残しつつ、戦争が沖縄に残した悲惨な爪痕、そして島国で育まれた独自の文化を知ることができる小説になっています。

 

普通に沖縄行きたいよね。

 

では次回。