カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「線は、僕を描く/砥上裕將」の感想と紹介

37.線は、僕を描く/砥上裕將

 

水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その中に分かちがたく結びついてる自分を感じていくことだ。(p.67)

 

線は、僕を描く

線は、僕を描く

 

 

両親を事故で亡くした青年が空っぽな毎日を過ごしている中で水墨に出会い、その世界に魅せられながら自分の生きる意味を探す話


なんの気なしに訪れた展覧会で、ひょんなことから水墨画の巨匠であ湖山先生内弟子に招かれる。


彼はそこで、先生の孫である同年代の女の子や他の門下の先輩とも交流しながら、いつのまにか水墨画の世界にのめり込んでいく。


先生と主人公の関係が心地いい。

先生の言葉が主人公の空っぽで真っ白な人生に色合いをつけていく。


線を引くこと。ただそれだけのことがとても奥深くて難しいことだと教えられる。


何か一つの道を極めることができる人には尊敬しかないな。


自分も何かに没入したくなる。そんな作品です。

 

では次回。