カタコトニツイテ

ゆる~い本の感想と紹介をしています。想うこともつらつらと。

読書

「少女/湊かなえ」の感想と紹介

175.少女/湊かなえ 死は究極の罰ではない。ならば、死とは何だ。(p.118) 少女 (双葉文庫) 作者:湊かなえ 双葉社 Amazon 人が死ぬ瞬間を見たいと願った二人の少女は、互いにすれ違いながら、それぞれが思い描く「死」と言う存在に立ち向かっていく、湊かな…

「神去なあなあ日常/三浦しをん」の感想と紹介

174.神去なあなあ日常/三浦しをん 「手入れもせんで放置するのが『自然』やない。うまくサイクルするよう手を貸して、いい状態の山を維持してこそ、『自然』が保たれるんや」(p.156) 神去なあなあ日常 (徳間文庫) 作者:三浦 しをん 徳間書店 Amazon 都会で…

「嘘の木/フランシス・ハーディング」の感想と紹介

173.嘘の木/フランシス・ハーディング 嘘は暗い緑色の煙となって家のまわりをかすみのようにとり囲み、ささやきあい不思議がりおびえる人々の口からこぼれ落ちる。(p.238) 嘘の木 (創元推理文庫) 作者:フランシス・ハーディング 東京創元社 Amazon 世間の…

「硝子の塔の殺人/知念実希人」の感想と紹介

172.硝子の塔の殺人/知念実希人 人間は最も大事にしているものを踏みにじられたとき、他人を殺すんだ(p.472) 硝子の塔の殺人 作者:知念 実希人 実業之日本社 Amazon 硝子の塔がそびえ立つ館に集められたゲストたちは、館内で巻き起こる不可解な事件の数々…

「か「」く「」し「」ご「」と「/住野よる」の感想と紹介

171.か「」く「」し「」ご「」と「/住野よる 「皆、何を知って色んな人を好きになるんだろう」(p.10) か「」く「」し「」ご「」と「(新潮文庫) 作者:住野よる 新潮社 Amazon 少しだけ特別な力を持った5人の高校生は、そのせいでお互いへの気持ちに戸惑い…

「神のロジック 次は誰の番ですか?/西澤保彦」の感想と紹介

170.神のロジック 次は誰の番ですか?/西澤保彦 わたしたち人間はね、自分が信じるものしか事実とは認めないの。たとえそれが嘘でも、ね。(p.81) 神のロジック 次は誰の番ですか? (コスミック文庫) 作者:西澤保彦 コスミック出版 Amazon 世界のどこにある…

「悪いものが、来ませんように/芦沢央」の感想と紹介

145.悪いものが、来ませんように/芦沢央 この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。悪いものが、来ませんように。(p.12) 悪いものが、来ませんように (角川文庫) 作者:芦沢 央 KADOKAWA Amazon 二人の女性の語りによって、子育てや家族関係が発端…

「わたしの美しい庭/凪良ゆう」の感想と紹介

144.わたしの美しい庭/凪良ゆう ___それでいいんだよ。幸せに決まった形なんてないのだから。(p.23) わたしの美しい庭 作者:ゆう, 凪良 ポプラ社 Amazon 小さな神社が屋上にあるマンションで、ままならない想いを抱えながらも、前を向いて日々を生きていく…

「同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬」の感想と紹介

143.同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬 「私の知る、誰かが…自分が何を経験したのか、自分は、なぜ戦ったのか、自分は、一体何を見て何を聞き、何を思い、何をしたのか…それを、ソ連人民の鼓舞のためではなく、自らの弁護のためでもなく、ただ伝えるためだけに…

「愛なき世界/三浦しをん」の感想と紹介

142.愛なき世界/三浦しをん たとえ終わりがなく、はかない行いだったとしても。だから無駄だ、ということにはならない。(上 p.236-237) 愛なき世界(上) (中公文庫) 作者:三浦しをん 中央公論新社 Amazon 洋食屋の料理人見習いとして働く主人公が恋をした…

「丸太町ルヴォワール/円居晩」の感想と紹介

141.丸太町ルヴォワール/円居晩 「言の葉を吹いて、寿と為す、だから言吹き。君に相応しい呼び名だろう?」(p.73) 丸太町ルヴォワール (講談社文庫) 作者:円居挽 講談社 Amazon とある屋敷で起きた事件の裏側で繰り広げられていた謎の女との魅惑的な邂逅が…

「フーガはユーガ/伊坂幸太郎」の感想と紹介

140.フーガはユーガ/伊坂幸太郎 僕の弟は僕よりも結構、元気です。とは風我のことを説明する時によく口にした台詞だ。いつだって彼が僕を引っ張っていく。(p.55) フーガはユーガ (実業之日本社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 実業之日本社 Amazon 親から愛情を注…

「元彼の遺言状/新川帆立」の感想と紹介

139.元彼の遺言状/新川帆立 「完璧な殺害計画をたてよう。あなたを犯人にしてあげる」(p.56) 元彼の遺言状 作者:新川帆立 宝島社 Amazon 弁護士の主人公は莫大な遺産の分け前を手に入れるべく、元彼が言い残した奇妙な遺言状から始まる一大騒動に首を突っ…

「ひと/小野寺史宜」の感想と紹介

138.ひと/小野寺史宜 しゃべろうと思わなければ誰ともしゃべらずにいられる。独りになるというのは、要するにそういうことだ。(p.33-34) ひと (祥伝社文庫) 作者:小野寺史宜 祥伝社 Amazon 20歳の秋、母が亡くなったことで天涯孤独の身となった主人公は、…

「ガラスの海を渡る舟/寺地はるな」の感想と紹介

136.ガラスの海を渡る舟/寺地はるな わたしたちは広い海に浮かぶちっぽけな一艘の舟のように頼りない。それでもまずは漕ぎ出さねば、海を渡りきることはできない。(p.208) ガラスの海を渡る舟 作者:寺地 はるな PHP研究所 Amazon 祖父の死をきっかけに受け…

「正欲/朝井リョウ」の感想と紹介

135.正欲/朝井リョウ 「どこにいても、その場所にいなきゃいけない期間を無事に乗り切ることだけ考えてる。誰にも怪しまれないままここを通過しないとって、いつでもどこでも思ってる」(p.153) 正欲 作者:朝井リョウ 新潮社 Amazon 様々な人物の視点を行き…

「紅蓮館の殺人/阿津川辰海」の感想と紹介

134.紅蓮館の殺人/阿津川辰海 「名探偵でいたいなら、優しくなんてない方がいい」(p.277) 紅蓮館の殺人 (講談社タイガ) 作者:阿津川辰海 講談社 Amazon 山火事が迫る館の中で突如として起こった殺人事件の渦中で、彼らは探偵としての宿命に葛藤しながらも…

「クララ殺し/小林泰三」の感想と紹介

133.クララ殺し/小林泰三 「心があるように振る舞うことと、心があるということは同じでしょうか?」(p.198) クララ殺し 〈メルヘン殺し〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:小林 泰三 東京創元社 Amazon 夢と現実の二つの世界で少女の命を狙う邪悪な殺人計画…

「カラフル/森絵都」の感想と紹介

132.カラフル/森絵都 この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。(p.187) カラフル (文春文庫) 作者:森 絵都 文藝春秋 Amazon 自殺を図った少年の体を受け継ぎ、家族や友達との関係を清算しながら自らと向き合い始める、森絵都の不朽の…

「鳩の撃退法/佐藤正午」の感想と紹介

131.鳩の撃退法/佐藤正午 「でもそれだったら」と男はつづけた。「小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだろうな」(p.48) 鳩の撃退法 上 作者:佐藤正午 小学館 Amazon 元小説家の男が自らの記憶を元にした小説を軸に、数々のトラブルや騒動が織り込ま…

「有頂天家族/森見登美彦」の感想と紹介

130.有頂天家族/森見登美彦 世に蔓延する「悩みごと」は、大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。(p.72) 有頂天家族 (幻冬舎文庫) 作者…

「いつかの岸辺に跳ねていく/加納朋子」の感想と紹介

129.いつかの岸辺に跳ねていく/加納朋子 石は意思を持って、遠く未来に跳ねていく。(p.318) いつかの岸辺に跳ねていく (幻冬舎文庫) 作者:加納 朋子 幻冬舎 Amazon 大きな体と穏やかな人柄を合わせ持つ少年と変わり者でありながらお人好しで誰にでも優しい…

「幻夏/太田愛」の感想と紹介

128.幻夏/太田愛 罪を犯した人間は、方の下に正しく裁かれ、罪を贖うのだと。 だが世界は、自分たちの信じていたものとは違っていた。(p.65) 幻夏 (角川文庫) 作者:太田 愛 KADOKAWA Amazon 父親が人殺しだと打ち明けた少年はその夏の朝に姿を消し、その頃…

「風神の手/道尾秀介」の感想と紹介

127.風神の手/道尾秀介 「いま、あたしたちがここにいるんだから、しょうがないよ」(p.469) 風神の手 (朝日文庫) 作者:道尾 秀介 朝日新聞出版 Amazon 遺影が専門の写真館である「鏡影館」に訪れた人々の過去と現在が描かれ、数十年にわたる歳月の中で起き…

「ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ」の感想と紹介

126.ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ けれど、命の時計の針が動きつづけている限り、そこには醜いものなど何ひとつないように思えた。(p.255) ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 早川書房 Amazon とある村で起こった殺人事件…

「夏の庭/湯本香樹実」の感想と紹介

125.夏の庭/湯本香樹実 「だけどさ、ほんとは生きてるほうが不思議なんだよ、きっと」(p.113) 夏の庭―The Friends (新潮文庫) 作者:香樹実, 湯本 新潮社 Amazon 人が死ぬ瞬間をこの目で見たいと、名も知れぬ老人を観察していた子どもたちは、いつしか彼と…

「氷菓/米澤穂信」の感想と紹介

124.氷菓/米澤穂信 全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく。(p.122) 氷菓 「古典部」シリーズ (角川文庫) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon 成り行きで高校の古典部に所属することになった主人公は、日常の中で起こる不思議な出来事…

「永遠の森 博物館惑星/菅浩江」の感想と紹介

123.永遠の森 博物館惑星/菅浩江 永遠の森 博物館惑星 作者:菅 浩江 早川書房 Amazon 地球の衛星軌道上を浮かぶ、全世界のありとあらゆる芸術品が収められた博物館惑星で、芸術に触れた人々の想いを解き明かす、菅浩江の短編SF小説。 博物館惑星「アフロディ…

「天使のナイフ/薬丸岳」の感想と紹介

121.天使のナイフ/薬丸岳 「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」(p,64) 天使のナイフ (講談社文庫) 作者:薬丸 岳 講談社 Amazon 中学生に妻を殺された主人公は、四年後、犯人の一人が殺されたことで疑惑の男となりながらも、闇に隠…

「かもめ食堂/群ようこ」の感想と紹介

122.かもめ食堂/群ようこ 作る人が心をこめて握っているものを、国は違うとはいえわかってもらえないわけがないと信じていた。(p.46) かもめ食堂 (幻冬舎文庫) 作者:群ようこ 幻冬舎 Amazon 日本人女性がフィンランドの片隅で営む小さな食堂での日常を綴っ…