カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「リバーサイドチルドレン/梓崎優」の感想と紹介

203.リバーサイドチルドレン/梓崎優 暗号めいた呼び名は現実をうまく隠すためのオブラートなのだ。直接口にするには重たくて生々しい現実を、別の言葉に置き換えて和らげる。それは、この世界で生きるための、他愛のないけれど切実な術の一つなのだ。(p.97…

「自転しながら公転する/山本文緒」の感想と紹介

202.自転しながら公転する/山本文緒 何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。(p.436) 自転しながら公転する(新潮文庫) 作者:山本文緒 新潮社 Amazon 主人公の女性は家族や恋愛、仕事の面倒に振…

「夜の国のクーパー/伊坂幸太郎」の感想と紹介

201.夜の国のクーパー/伊坂幸太郎 「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」(p.300) 夜の国のクーパー (創元推理文庫) 作者:伊坂 幸太郎 東京創元社 Amazon 見覚えのない土地で目を覚ました男は、仰向けになった胸の上に座る一匹の猫から、彼らの…

「成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈」の感想と紹介

200.成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」(p.6) 成瀬は天下を取りにいく 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon 中学2年生の夏休みを全て西武大津店に捧げた少女、成瀬が突き進んでいく人生が滋賀県の街並みとともに描…