カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

「君が手にするはずだった黄金について/小川哲」の感想と紹介

229.君が手にするはずだった黄金について/小川哲 昔話というのは車窓の景色のように一瞬で流れ去るから面白いのであって、現場まで立ち戻って仔細に検討したらどんどん粗が見えてきてつまらなくなる(p.187) 君が手にするはずだった黄金について 作者:小川…

「あすは企業日/森本萌乃」の感想と紹介

228.あすは企業日/森本萌乃 グラデーションの始まりが、いつだって混じり気のない単色であるように。(p.11) あすは起業日! 作者:森本萌乃 小学館 Amazon スタートアップの会社で突然、クビを宣告させられた主人公の女性は、かつて抱いていた起業の夢を思…

「眠れない夜は体を脱いで/彩瀬まる」の感想と紹介

227.眠れない夜は体を脱いで/彩瀬まる 次に目を開けたとき、世界は夜になっていた。(p.147) 眠れない夜は体を脱いで (中公文庫) 作者:彩瀬まる 中央公論新社 Amazon 一つのネット掲示板に寄せられた投稿が、自身の心に漂っていた違和感をそっと掬いあげて…

「ことり/小川洋子」の感想と紹介

226.ことり/小川洋子 どんなに形の違う小石でも、一緒にポケットに入れておくうち、不思議と馴染んでくるものだとよく知っていたからだ(p.35) ことり (朝日文庫) 作者:小川 洋子 朝日新聞出版 Amazon 小鳥の言葉を理解する兄と、ただ一人兄の言葉を理解す…

「クジラアタマの王様/伊坂幸太郎」の感想と紹介

225クジラアタマの王様/伊坂幸太郎 音も聞こえず、広く、美しい青空が見えるだけであるから、本当にやってくるのだろうか、と不安になるほどだが、もちろんそれは、恐怖から目を逸らしたいからでもあった。(p.58) クジラアタマの王様(新潮文庫) 作者:伊…

「星降り山荘の殺人/倉知淳」の感想と紹介

224.星降り山荘の殺人/倉知淳 頭上には、降るような星の光が満ち満ちていた。(p.164) 新装版 星降り山荘の殺人 (講談社文庫) 作者:倉知淳 講談社 Amazon 雪に閉ざされた山荘で起こった殺人事件は、閉じ込められた一癖も二癖もある登場人物たちに対して、思…

「電気じかけのクジラは歌う/逸木裕」の感想と紹介

223.電気じかけのクジラは歌う/逸木裕 __音楽の本質は、波及なんだ。空港のように、僕やみんなの中には色々な音楽が溜まっている。いままでに影響を受けてきた色々なものから、新しいものを再構築する。そうやって芸術は波及していく。(p.47) 電気じかけ…

「神楽坂スパイスボックス/長月天音」の感想と紹介

222.神楽坂スパイスボックス/長月天音 「きっと、私がスパイス料理に勇気づけられたからかもしれませんね。私にとって、スパイスは、魔法の粉なんです」(p.57) 神楽坂スパイス・ボックス (ハルキ文庫) 作者:長月天音 角川春樹事務所 Amazon 神楽坂の路地で…

「ノウイットオール あなただけが知っている/森バジル」の感想と紹介

221.ノウイットオール あなただけが知っている/森バジル 「この世界のこと一切もれなくぜーんぶ知るまでは、誰に何言ったって知ったかぶりだよ」(p.140) ノウイットオール あなただけが知っている (文春e-book) 作者:森 バジル 文藝春秋 Amazon とある街を…

「透明な夜の香り/千早茜」の感想と紹介

220.透明な夜の香り/千早茜 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」(p.55) 透明な夜の香り (集英社文庫) 作者:千早茜 集英社 Amazon 古い洋館で家事手伝いをすることになった主人公は、その場所で客の望む香りを自在に作りだす調香師として…

「リボルバー/原田マハ」の感想と紹介

219.リボルバー/原田マハ 「絵を描いたその場所に、その絵は残らない。生産する場所と消費する場所は一致しないのは世の常です」(p.96) リボルバー (幻冬舎文庫) 作者:原田マハ 幻冬舎 Amazon パリのオークションに持ちこまれた、ゴッホの自殺に使われたと…

「レーエンデ国物語 月と太陽/多崎礼」の感想と紹介

218.レーエンデ国物語 月と太陽/多崎礼 ならばもう忘れてしまおう。両親のことも、恐ろしい夜のことも、忘れてしまおう。(p.50) レーエンデ国物語 月と太陽 作者:多崎礼 講談社 Amazon 屋敷から逃げだした名家の少年は、辿りついた村で出会った少女ととも…