カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「アリス殺し/小林泰三」の感想と紹介

36.アリス殺し/小林泰三

 

客観的な現象は存在すると仮定してみて、矛盾が生じたときに初めて自分の正気を疑えばいいんだから(p.62)

 

 
「不思議な国のアリス」の世界の夢を見る少女は、ある日夢の世界でンプティダンプティが墜落死する事件に遭遇する。


すると現実でもシンクロするように、王子と呼ばれる研究員が屋上から飛び降り死んでしまう。


少女は夢の世界で犯人だと疑われ、現実では共通の夢を見ている人物と協力して、真犯人が誰なのかを暴こうと模索する。


終始、ダークな雰囲気ながら不思議の国のアリスのファンタジーさが不気味な世界観を醸し出していた。


基本的に会話劇が中心なので途中誰が喋ってるか分からなくなる。特に三月兎と帽子屋。どっちも馬鹿だから判別しにくいことこの上ない。


ところどころ不思議の国のアリスの設定が踏襲されていて、読んだことのある人ははっ!となる場面が多いかもしれない。


最後に、合言葉は「スナークはブージャムだった」

 

では次回。