カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「すべてがFになる/森博嗣」の感想と紹介

13.すべてがFになる/森博嗣

 

今は夏。彼女はそれを思い出す。(p.9)

 

印象的な書き出しで始まる理系ミステリの先駆者、森博嗣の代表作。


大学教授の犀川創平と学生の西之園萌絵のコンビが孤島の殺人事件の謎に挑む、「S&Mシリーズ」の記念すべき第1作目になる。


突飛すぎるトリックと理系要素を取り入れたミステリーは斬新で、20年前に書かれたとは思えないほど目新しい。数学が得意ならタイトルの意味も分かるかも。


知的でミステリアスながらどこか達観して物事を見ている犀川、お嬢様然としつつも好奇心旺盛で事件に首を突っ込みがちな西之園の掛け合いも見どころのひとつ。

特に、犀川教授の言葉には説得力があって納得させられることが多い。
表紙に書いてある現実についての解釈もその一端。

 

時間があれば他の「S&Mシリーズ」にも挑戦してみてください。


にしても書き出しが良い。
何か賞をあげたいくらい良い。

 

では次回。