カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「恋文の技術/森見登美彦」の感想と紹介

12.恋文の技術/森見登美彦

 

こんなことを手紙に書かなくてもいいような気がする。

でも、書かなくてもいいようなことを書くのが手紙というような気もする。(p.225)

 

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

 

好きな人に手紙を書くことが出来ないヘタレ男が本命の彼女に恋文を送るために、友人たちとの文通を通して修行する森見節全開のラブコメディ作品。

この作品は書簡体小説と呼ばれ、全編通して手紙形式で綴られる物語になっている。


屁理屈ばかりだけどどこか憎めない青年守田と、周りの友人達とのくだらない話を真剣に議論する文通は読んでいるとにやけてしまうこと請け合い。


ヘタレ学生の主人公だけど、読み終わる頃にはきっと彼の恋を応援してしまっているはず。


主人公と文通する周りの人物も個性豊かで、手紙形式で構成されてるとは思えないくらいそれぞれの人柄や思惑が手紙を通して伝わってくる。


読み終わった後は誰でも良いから手紙を書きたくなる本。

実際こんな学生生活はごめんだけど。

 

電車で読むのは危険なのでおうちで読んでくださいね。

 

では次回。