カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「舟を編む/三浦しをん」の感想と紹介

41.舟を編む/三浦しをん

 

 「辞書は、言葉の海を渡る船だ」(p.34)

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 

言葉に対して真摯に向き合う主人公が新しい辞書「大渡海」を完成させるため、編集部の仲間と果てしない辞書作りに挑む三浦しをん第9回本屋大賞受賞作


出版社に勤める主人公は辞書編集部に引き抜かれ、辞書作りに携わることになる。


最初はなぜ自分がと自問自答するものの、言葉に対する鋭い着眼点を武器に、真っ直ぐに辞書作りに邁進していく。


編集部の仲間もそんな主人公の熱意にあてられ、だんだん辞書の世界にのめり込んでいくようになる。


何気なく使ってる辞書というものがどれほどの熱意と途方もない時間をかけて作られているか、この本を読むまで知らなかった。


一つの言葉を追加するのも、一つの言葉を削るのにも様々なことを考えなければならない。


そして、少しの言葉のニュアンスの違いに何度も頭を悩ましては、妥協せずに言葉の意味を追求していく姿は尊敬の念しかない。


「船を編む」というタイトルは改めてこの本にぴったりだ。

 

では次回。