カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「また、同じ夢を見ていた/住野よる」の感想と紹介

30.また、同じ夢を見ていた/住野よる

 

「人生とは、ヤギさんみたいなものね」

「なんだよそりゃ」

「素敵な物語を読むと思うの。私、この本を食べて生きていけるかもって」(p.77)

 

また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)

また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)

 

 

「人生とは」が口癖の女の子が一匹の猫と一緒に、いつも相談にのってくれる”アバズレさん”、手首に傷を持つ“南さん”、お菓子を作ってくれる”おばあちゃん”など個性豊かな女性たちと出会い会話しながら、幸せとは何かを見つける話。


まだ「君の膵臓をたべたい」はまだ読んでないのだけれど、話題の住野よるさんは読んでおかなければと思って。


主人公は純粋で賢く物怖じしない女の子。
彼女の目線ではどんなことも興味深く見える。


悲しいことも上手くいかないこともあるけど、周りの存在に助けられながら乗り越えていく。


小学生の頃にはもう戻れないし、あの時思い描いていたような人生を歩めているとは思わない。


それでも、過去を振り返った時に幸せだったと言えるように生きていきたい。そう思わせてくれる作品。


壮大な感動作よりも、この作品みたいな一瞬しかない日常を切り取った物語の方が心が苦しくなる。

 

では次回。