カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「密やかな結晶/小川洋子」の感想と紹介

112.密やかな結晶/小川洋子 記憶はただ増えるだけじゃなくて、時間をかけながら移り変わってゆくからね。(p.127) 密やかな結晶 新装版 (講談社文庫) 作者:小川洋子 講談社 Amazon 知っていたはずの物事の記憶が少しずつ消滅していく島で生きる人々の姿を描…

「眼球堂の殺人/周木律」の感想と紹介

110.眼球堂の殺人/周木律 眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫) 作者:周木律 発売日: 2016/10/14 メディア: Kindle版 奇怪な形をした邸宅に招かれた放浪の数学者と付き添いの記者は、謎に包まれた事件に見舞われる、周木律の長編理系ミ…

「ありえないほどうるさいオルゴール店/瀧羽麻子」の感想と紹介

111.ありえないほどうるさいオルゴール店/瀧羽麻子 「でも音楽ってそういうものかもしれません。印象的な思い出の後ろで、鳴っている。反対に、その思い出を呼び起こすこともできる」(p.217) ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫) 作者:瀧羽 …

「いなくなれ、群青/河野裕」の感想と紹介

109.いなくなれ、群青/河野裕 この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。(p.16) いなくなれ、群青(新潮文庫) 作者:河野 裕 発売日: 2015/02/27 メディア: Kindle版 島に来た記憶を無くした主人公は、かつて離れ離れになった少女と出会っ…

「ヒッキ―ヒッキーシェイク/津原泰水」の感想と紹介

108.ヒッキ―ヒッキーシェイク/津原泰水 君たちは実際に世界を救うよ、バグだらけのヒッキーズが(p.221) ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA) 作者:津原 泰水 発売日: 2019/06/06 メディア: Kindle版 ヒキコモリとして生活していた4人がカウンセラー…

「ぼくのメジャースプーン/辻村深月」の感想と紹介

107.ぼくのメジャースプーン/辻村深月 人間って、絶対に他人のために泣いたりできないんだって。(p.82) ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) 作者:辻村深月 発売日: 2012/10/26 メディア: Kindle版 学校で起きた凄惨な事件によって心を閉ざしてしまった少…