カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「スロウハイツの神様/辻村深月」感想と紹介

  1.スロウハイツの神様/辻村深月

 

自分の言った言葉っていうのは、全部自分に返ってくる。

返ってきて、未来の自分を縛る。声は、呪いになるんだよ(上 p.232)

 

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)

 

辻村深月作品で初めて読んだ作品で一番お気に入りの本。

現代版トキワ荘とも言える、芸術家の卵が生活するスロウハイツというアパートでの人間関係を描いた話。

異なるジャンルで異なる個性を持つ住人が、スロウハイツの中で自分の思いと葛藤しながら前に進んでいく姿に感情移入したり戸惑ったり。

ラストに近づくにつれて怒涛の伏線回収をしながら明かされる、1人の少女の純粋な想いに心を打たれる。

少し長めでだれてしまう部分もあるけど、最後まで読み切った後すっきりとした読後感に包まれる作品だと思う。

 

ぜひ気になった方は読んでみてください。 

 

では次回。