カタコトニツイテ

ゆる~い本の感想と紹介をしています。想うこともつらつらと。

「蜜蜂と遠雷/恩田陸」の感想と紹介

5.蜜蜂と遠雷/恩田陸

 

世界に溢れている音楽を聴ける者だけが、自らの音楽をも生み出せるのだから。(p.393)

 

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

 

 

2017年の直木賞本屋大賞をW受賞した恩田陸の長編小説。

優勝した者は音楽界を制すると言われる芳ヶ江国際コンクールで、天才ピアニストたちが切磋琢磨しながら優勝を競い合う。

この物語は群像劇となっており、4人の主人公がそれぞれの過去や今の生活、音楽と向き合いながらコンクールを戦い抜いていく。

彼らが演奏していくごとに心境が変化して、成長していくのが読んでいてもわかる。演奏シーンでは観客席にいる気持ち。


ただ、この作品では決してピアノ演奏などの華やかで煌びやかなステージだけではなく、コンクールという舞台の過酷さや残酷さにも焦点を当てている。

コンクールにかけるまでの準備、そして一度の演奏で全てが決まる緊張感。一瞬で天国と地獄が分かれる通過発表ではこっちまでドキドキする。


正直なことを言うと、音楽に優劣をつけて一番を決めるのは複雑な気持ちになってしまう。音楽は楽しむものだと思っていたから。


だけども、それでも一番を決めなければならない審査員の心境。そして、作曲者の表現に忠実な演奏を重視し、独創性があまり評価されないコンクールへのアンチテーゼなどもしっかり描かれているのが良かった。

 

まだ映画は見てないけど、音楽を題材にしているので映像映えしそう。

 

楽しみにとってます。本はこちら。

 

 

では次回。