カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「かがみの孤城/辻村深月」の感想と紹介

 
そんな奇跡が起きたらいいと、ずっと、願っている。
そんな奇跡が起きないことは、知っている。(p.3)
 
かがみの孤城

かがみの孤城

 

学校に行けない子どもたちが鏡の中の城で願いを叶える鍵を探す話

 
普段は文庫本派なのだけれど、待ちきれなくてハードカバーのものを購入。

辻村さんが描く登場人物はどれも等身大で、痛々しいくらいリアルに感じられる
感情移入してしまう人や自分と重ねてしまう人も多いと思う。

この本では辻村さんが好きなドラえもんのように、少し不思議な出来事が現実世界の人の心を動かす話になっている。

決してひみつ道具のように便利なだけではないけれど、鏡の中の城が子どもたちが前を向くきっかけとして登場する。

そして、最後に至るまでその場所で起こる子どもたちの絆や想いに一喜一憂して、時にはあっと驚くことになる。
 
家で過ごすことが多い今は鬱々と考え込んでしまう時間も増えてしまうけど、この物語を読んでまた前を向いて一日一日を大切に生きていきたいですね。

 

では次回。