カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午」の感想と紹介

25.葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

 

自分の可能性を信じる人間だけが、その可能性を現実化できる資格を持つ。(p.465)

 

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
 

 

刊行当時あらゆるミステリーの賞を総ナメにしたものの、賛否両論を巻き起こした歌野晶午の長編ミステリー。


元私立探偵の主人公が自殺を図っていた女を救ったことから事件が始まっていく。


悪徳商法で金を巻き上げる会社に対して調査を進めていく最中、若かりし主人公の回想や自殺を図った女の過去を交えながら物語が展開されていく。


そして、終盤には今まで読んでいた世界が一変するような事実が明らかになる。


読んでいた人は最初から最後まで作者の手のひらで転がされて、まんまと騙されているいることに気づく。


読んだあと本を投げた人も多いというのも納得のトリックで、割と下世話な話も散見されるけれども、秀逸なタイトルと最後のどんでん返しは一読の価値はある。と想う。

 

今の季節にぴったりなタイトルですね。

 

では次回。