カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

「レプリカたちの夜/一條次郎」の感想と紹介

72.レプリカたちの夜/一條次郎

 

「わかりませんよ。なにがあってもおかしくはない世の中ですから」(p.123)

 

レプリカたちの夜 (新潮文庫)

レプリカたちの夜 (新潮文庫)

 

 

工場で働く主人公は夜中12時に工場内を徘徊するシロクマを目撃する。

 

選考会を騒然とさせた一條次郎の異色のミステリー。
と言うかミステリーではない。多分。

 

あらすじなんてものは無いに等しく、説明不可能なシュールな世界観が終始繰り出される。

 

それにも関わらず、どこまでも読んでられるような謎の安心感が存在しているのは何故だろう。何が起こっても違和感がない。

 

実際、意味の分からない場面に出くわしたかと思うと、著者の細かなワードセンスにくすっと笑わせられる。

 

特に印象的だったのは、はしゃいだ女の子たちが鮭の腹を殴ってはイクラを取り出してきゃっきゃっとしてるシーン。

 

どういう頭の構造をしてたらこんなこと思いつくんだろう。夢に出てきそうだ。

 

登場キャラではうみみずさんが好きだったな。パンチライン多すぎる
現実では近づきたくないけど。

 

では次回。