119.砂漠/伊坂幸太郎
「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」(p.18)
入学してすぐの新歓で出会った5人の男女は、限られたモラトリア
始めて読んだのは高校生の時。あの頃は、本気で大学生活とは「こ
大学生活が始まったのも束の間、新歓の場にいた5人の男女は、苗
周りを冷静に俯瞰して見る北村、世界を平和にするために麻雀の平
そして、適当だけども皆を引っ張る鳥井。
何の繋がりもなかったはずの5人の大学生はボウリングや合コンな
それでも、いざこざを経ながら絆を深め合う彼らは、無為に過ぎて
とにかく西嶋のキャラが魅力的だった。恥ずかしげもなく砂漠に雪
この物語は永遠に続いていくものではなく、卒業して社会という名
作中で「学生時代を思い出して懐かしがってもいいが、あの頃に戻
でも、だからこそ、この物語を読むと一層、友達と暇を持て余して
もしかしたら、大学で出会った友人たちとも
いつかは疎遠になってしまうのかもしれない。
なんてことはまるでない、はず。
では次回。