2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
132.カラフル/森絵都 この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。(p.187) カラフル (文春文庫) 作者:森 絵都 文藝春秋 Amazon 自殺を図った少年の体を受け継ぎ、家族や友達との関係を清算しながら自らと向き合い始める、森絵都の不朽の…
131.鳩の撃退法/佐藤正午 「でもそれだったら」と男はつづけた。「小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだろうな」(p.48) 鳩の撃退法 上 作者:佐藤正午 小学館 Amazon 元小説家の男が自らの記憶を元にした小説を軸に、数々のトラブルや騒動が織り込ま…
130.有頂天家族/森見登美彦 世に蔓延する「悩みごと」は、大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。(p.72) 有頂天家族 (幻冬舎文庫) 作者…
129.いつかの岸辺に跳ねていく/加納朋子 石は意思を持って、遠く未来に跳ねていく。(p.318) いつかの岸辺に跳ねていく (幻冬舎文庫) 作者:加納 朋子 幻冬舎 Amazon 大きな体と穏やかな人柄を合わせ持つ少年と変わり者でありながらお人好しで誰にでも優しい…
128.幻夏/太田愛 罪を犯した人間は、方の下に正しく裁かれ、罪を贖うのだと。 だが世界は、自分たちの信じていたものとは違っていた。(p.65) 幻夏 (角川文庫) 作者:太田 愛 KADOKAWA Amazon 父親が人殺しだと打ち明けた少年はその夏の朝に姿を消し、その頃…
127.風神の手/道尾秀介 「いま、あたしたちがここにいるんだから、しょうがないよ」(p.469) 風神の手 (朝日文庫) 作者:道尾 秀介 朝日新聞出版 Amazon 遺影が専門の写真館である「鏡影館」に訪れた人々の過去と現在が描かれ、数十年にわたる歳月の中で起き…
126.ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ けれど、命の時計の針が動きつづけている限り、そこには醜いものなど何ひとつないように思えた。(p.255) ザリガニの鳴くところ 作者:ディーリア・オーエンズ 早川書房 Amazon とある村で起こった殺人事件…
125.夏の庭/湯本香樹実 「だけどさ、ほんとは生きてるほうが不思議なんだよ、きっと」(p.113) 夏の庭―The Friends (新潮文庫) 作者:香樹実, 湯本 新潮社 Amazon 人が死ぬ瞬間をこの目で見たいと、名も知れぬ老人を観察していた子どもたちは、いつしか彼と…