カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

「アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎」の感想と紹介

153.アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎 「いいか、後になって『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」(p.28) アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) 作者:伊坂幸太郎 幻冬舎 Ama…

「喜嶋先生の静かな世界/森博嗣」の感想と紹介

152.喜嶋先生の静かな世界/森博嗣 「既にあるものを知ることも、理解することも、研究ではない。研究とは、今はないものを知ること、理解することだ。それを実現するための手がかりは、自分の発想しかない」(p.109) 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World…

「ムゲンのi/知念実希人」の感想と紹介

151.ムゲンのi/知念実希人 本来、夢っていうものはすぐに醒めるものだ。もっと脆くて儚いものだ。(p.58) ムゲンのi : 上 (双葉文庫) 作者:知念実希人 双葉社 Amazon ムゲンのi : 下 作者:知念実希人 双葉社 Amazon 永久に眠り続ける病気を発症した患者…

「六人の嘘つきな大学生/浅倉秋成」の感想と紹介

150. 六人の嘘つきな大学生/浅倉秋成 誰もが胸に『封筒』を隠している。それを悟られないよう、うまく振る舞っているだけ。(p.234) 六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本) 作者:浅倉 秋成 KADOKAWA Amazon 瞬く間に世間の羨望を集めたベンチャー企業の最…

「ベルリンは晴れているか/深緑野分」の感想と紹介

149.ベルリンは晴れているか/深緑野分 爆弾の炎がいかに街を焼き、醜い姿に変えようと、夏の青い夜は美しい。(p.18) ベルリンは晴れているか 作者:深緑野分 筑摩書房 Amazon 第二次世界大戦で敗れたことにより連合国軍の統治下に置かれたドイツで、17歳の…

「赤と青とエスキース/青山美智子」の感想と紹介

148.赤と青とエスキース/青山美智子 どちらの立場になっても、私はいつも自分から先に手を放してしまう。待っていられないのだ。熱すぎるのも、冷たすぎるのも。(p.30) 赤と青とエスキース 作者:青山 美智子 PHP研究所 Amazon これから先の将来に不安を抱…

「隻眼の少女/麻耶雄嵩」の感想と紹介

147. 隻眼の少女/麻耶雄嵩 「簡単よ。私にとって万物の言葉の整合が大事なの。」(p.183) 隻眼の少女 作者:麻耶 雄嵩 文藝春秋 Amazon 隻眼の少女探偵は山奥の寒村で突如として起きた連続殺人事件を解決するべく立ち向かうが、18年の時を経て、惨劇は再び繰…

「ダック・コール/稲見一良」の感想と紹介

146.ダック・コール/稲見一良 リョコウバトという鳥は、過ぎ去ったある時代の天空を翔ぬけたパッセンジャーの大集団であり、サムという名の一青年は、今はもう還ることのないある時ある所の、豊穣の自然に触れることのできた幸運者であり、彼もまた時の流れ…

「悪いものが、来ませんように/芦沢央」の感想と紹介

145.悪いものが、来ませんように/芦沢央 この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。悪いものが、来ませんように。(p.12) 悪いものが、来ませんように (角川文庫) 作者:芦沢 央 KADOKAWA Amazon 二人の女性の語りによって、子育てや家族関係が発端…

「わたしの美しい庭/凪良ゆう」の感想と紹介

144.わたしの美しい庭/凪良ゆう ___それでいいんだよ。幸せに決まった形なんてないのだから。(p.23) わたしの美しい庭 作者:ゆう, 凪良 ポプラ社 Amazon 小さな神社が屋上にあるマンションで、ままならない想いを抱えながらも、前を向いて日々を生きていく…