カタコトニツイテ

頭のカタスミにあるコトバについて。ゆる~い本の感想と紹介をしています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

「その可能性はすでに考えた/井上真偽」の感想と紹介

19.その可能性はすでに考えた/井上真偽 「『奇蹟』は世界で最も美しい真実です」(p.79) その可能性はすでに考えた (講談社文庫) 作者:井上真偽 発売日: 2018/02/15 メディア: Kindle版 この世に奇蹟があることを信じる探偵が、カルト宗教団体の集団自殺の…

「百貨の魔法/村山早紀」の感想と紹介

18.百貨の魔法/村山早紀 「世界には、魔法も奇跡も、きっとあるって信じてますから」(p.80) 百貨の魔法 作者:村山 早紀 発売日: 2017/10/05 メディア: 単行本 地方の商店街に建つ百貨店で働く人々が、その中で起こる不思議な出来事に出くわしながら、時代…

「ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人」の感想と紹介

17.ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人 残された作業はそう多くない。 ー私自身を、この雪の牢獄から消し去るだけだ。(p.13) ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫) 作者:市川 憂人 発売日: 2019/06/28 メディア: 文庫 航空する飛行船の中で起…

「アルケミスト 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ」の感想と紹介

16.アルケミスト 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ 『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』」(p.40) アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫) 作者:パウロ・コエーリョ,山川 紘矢,山川 亜希…

「戦場のコックたち/深緑野分 」の感想と紹介

15.戦場のコックたち/深緑野分 人生の楽しみは何かと問われたら、僕は迷わず「食べることだ」と答えるだろう。(p.11) 戦場のコックたち (創元推理文庫) 作者:深緑 野分 発売日: 2019/08/09 メディア: Kindle版 第二次世界大戦にアメリカ軍の特技兵として参…

「AX/伊坂幸太郎」の感想と紹介

14.AX/伊坂幸太郎 何が大変なのかは関係がない。 世の中の人間はどのような者も大変なのだから、どのような状況であろうとそれを労っておけば問題がない。(p.169) AX アックス (角川文庫) 作者:伊坂 幸太郎 発売日: 2020/02/21 メディア: Kindle版 「グ…

「すべてがFになる/森博嗣」の感想と紹介

13.すべてがFになる/森博嗣 今は夏。彼女はそれを思い出す。(p.9) すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫) 作者:森博嗣 発売日: 2012/09/28 メディア: Kindle版 印象的な書き出しで始まる理系ミステリの先駆者、森博嗣の代表作…

「恋文の技術/森見登美彦」の感想と紹介

12.恋文の技術/森見登美彦 こんなことを手紙に書かなくてもいいような気がする。 でも、書かなくてもいいようなことを書くのが手紙というような気もする。(p.225) ([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫) 作者:森見 登美彦 発売日: 2011/04/06 メディア: 文庫 …

「夜のピクニック/恩田陸」の感想と紹介

11.夜のピクニック/恩田陸 みんなで、夜歩く。 ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。(p.414) 夜のピクニック(新潮文庫) 作者:恩田 陸 発売日: 2015/04/03 メディア: Kindle版 高校生活最後を飾るイベント、歩行祭を舞台にした恩田陸の青…

「さよなら妖精/米澤穂信」の感想と紹介

10.さよなら妖精/米澤穂信 「ああ、いいよ、差し上げる。 傘と本は貸したら帰ってこないものだから」(p.36) さよなら妖精 (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2013/10/18 メディア: Kindle版 「古典部シリーズ」で有名な日常系ミステリーの旗手、米澤…

「ZOO1/乙一」の感想と紹介

9.ZOO 1/乙一 私は知った。 死とは、喪失感だったのだ。(p.192) ZOO 1 (集英社文庫) 作者:乙一 発売日: 2013/05/14 メディア: Kindle版 ホラー作家乙一の様々なジャンルの物語が綴られた短編集。1と2があるけど1の方が好き。ハラハラする話から残酷な話…

「かがみの孤城/辻村深月」の感想と紹介

8.かがみの孤城/辻村深月 そんな奇跡が起きたらいいと、ずっと、願っている。 そんな奇跡が起きないことは、知っている。(p.3) かがみの孤城 作者:辻村深月 発売日: 2017/06/02 メディア: Kindle版 学校に行けない子どもたちが鏡の中の城で願いを叶える鍵…

「青の炎/貴志祐介」の感想と紹介

7.青の炎/貴志祐介 瞋りの炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになる(p.328) 青の炎 (角川文庫) 作者:貴志 祐介 発売日: 2012/12/04 メディア: Kindle版 ”鬼才”貴志祐介の感動の長編倒叙ミステリー。 犯人視点で物語が進み、動…

「七回死んだ男/西澤保彦」の感想と紹介

6.七回死んだ男/西澤保彦 親戚が入り乱れて座布団を互いにこれでもかこれでもかと叩き合ってる光景は何と申しましょうか地獄絵図さながらである。(p.241-242) 新装版 七回死んだ男 (講談社文庫) 作者:西澤保彦 発売日: 2017/09/15 メディア: Kindle版 SFミ…

「蜜蜂と遠雷/恩田陸」の感想と紹介

5.蜜蜂と遠雷/恩田陸 世界に溢れている音楽を聴ける者だけが、自らの音楽をも生み出せるのだから。(p.393) 蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫) 作者:恩田陸 発売日: 2019/04/10 メディア: Kindle版 2017年の直木賞と本屋大賞をW受賞した恩田陸の長編小説。優勝…

「アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎」の感想と紹介

4.アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎 ベストセラー作家伊坂幸太郎が放つ青春ミステリー。 「広辞苑を奪うんだ」(P.24) アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) 作者:伊坂 幸太郎 発売日: 2012/01/01 メディア: Kindle版 突飛なフレーズに興味を惹…

「ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦」の感想と紹介

3.ペンギンハイウェイ/森見登美彦 一日一日、ぼくは世界について学んで、昨日の自分よりもえらくなる。(p.6) ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) 作者:森見 登美彦 発売日: 2013/01/10 メディア: Kindle版 森見登美彦作品では珍しく京都が舞台ではないファン…

「ラットマン/道尾秀介」の感想と紹介

2.ラットマン/道尾秀介 過ちと正しさが、そっくり同じ顔をしているのであれば、誰がそれを見分けられるというのだ。(p.326) ラットマン (光文社文庫) 作者:道尾 秀介 発売日: 2010/07/20 メディア: Kindle版 道尾秀介の作品の中でも群を抜いて好きな小説。…

「スロウハイツの神様/辻村深月」感想と紹介

1.スロウハイツの神様/辻村深月 自分の言った言葉っていうのは、全部自分に返ってくる。 返ってきて、未来の自分を縛る。声は、呪いになるんだよ(上 p.232) スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) 作者:辻村深月 発売日: 2012/12/03 メディア: Kindle版 …

「ランニング」について

準備運動をしていると小さい頃のことを思い出す。 みなさんはどうですか? どゆこと?と思う人もたくさんいるでしょう。というか大半でしょう。 こどものころってよく柔軟をするときに「今のうちにやっておかないと。大人になってからじゃ遅いからね。」と口…

「カタコトニツイテ」について

初めまして。 自分が何でもない事、日々想っていることをだらだらと発信できる場が欲しいなぁと考えていて、思い切って始めてみましたブログ。 そして、どんな内容にしようかと考えていたら年が明けてしまいました。 あっ、あけましておめでとうございます。…